よくある症状一覧

以前よりまぶしさを強く感じる(羞明)

以前よりまぶしさを強く感じる(羞明)まぶしさを強く感じる症状を起こす眼疾患では、白内障、ドライアイによるものが多く、他にも角膜炎、眼瞼痙攣、ぶどう膜炎など幅広い疾患で生じることがあります。
白内障で日常生活に支障が生じている場合には手術が必要です。日本で年間150万件以上行われている手術です。ドライアイの場合には、症状や原因に合わせた点眼治療や生活習慣の見直しを行い、涙点プラグによる治療が行われることもあります。
それ以外の疾患で生じている場合、大幅な視力低下や状態の悪化を防ぐために早急な治療が必要なこともありますので、症状に気付いたらお気軽にご相談ください。

見ている対象物がゆがんで見える(歪視)

ゆがんで見える場合、「見る」機能で最も重要な黄斑の疾患が疑われます。黄斑の障害が強く残ると明るさがぼんやりわかる程度となり、注視するものの細部が認識できず、文字が読めなくなってしまうこともあります。
50歳以上に発症が多い黄斑疾患には、加齢性黄斑変性症があります。
それ以外にも、黄斑上膜、黄斑円孔、中心性漿液性脈絡網膜症、糖尿病網膜症、黄斑浮腫、網膜剥離、強度近視による網膜異常などでも、見ている対象がゆがんで見えることがあります。少しでも良好な視力を維持するためには、早期発見が重要な疾患が多く、それぞれ適切な治療法が異なりますので、見え方に異常を感じたらできるだけ早くご相談ください。また糖尿病と診断されている場合には、自覚症状がなくても糖尿病網膜症を発症している可能性がありますので、半年~1年に1度の定期的な眼科検診を受けてください。

網膜の疾患について

視力が落ちた(視力低下・視力障害)

急に視力が落ちた、見えにくくなった、徐々に視力が低下し続けている場合、近視や老眼の進行によるものと思われがちですが、深刻な病気によって生じていることも少なくありません。発症頻度の高い緑内障、白内障をはじめ、ぶどう膜炎、角膜疾患、加齢黄斑変性症をはじめとした黄斑疾患、糖尿病網膜症など様々な疾患の可能性があります。また脳や血液などの疾患によって視力低下を起こすこともあります。視力の低下による眼鏡やコンタクトレンズの処方目的で受診されて疾患の早期発見につながることもよくあります。視力に異常を感じたらお気軽にご相談ください。

実際にはない浮遊物が見える(飛蚊症)

実際にはないゴミや虫のようなものが視界に浮かんで見える状態です。通常はわからないことも多いのですが、快晴の日に青空を見上げるなど均一な色や明るさのものを見ると飛蚊症の有無がはっきりわかります。目の中には硝子体という透明なゲル状の組織がありますが、シワや濁りが生じるとその影が網膜に映り、浮遊物があるように見えます。繊維状のものができて生じる生理的な飛蚊症は健康な目でもよく起こる症状です。ただし、網膜や硝子体に病変などの異常があって生じている病的飛蚊症の場合、網膜裂孔、網膜剥離、硝子体出血といった深刻な疾患によって生じている疑いがあります。急激に浮遊物が増えた、大きな影が見えるなど病的飛蚊症はわかりやすい症状を起こすこともありますが、生理的飛蚊症と変わらないこともあります。眼科では網膜などを詳細に検査することで病変や異常の有無を確認できますので、疑わしい場合には早めに受診してください。

網膜剥離について

涙目(流涙症)

悲しいなどの理由がないのに、いつも涙がたまって目が潤んでいる、または涙があふれて流れてしまう状態です。涙の過剰な分泌や、涙の排出に問題があって起こっています。主な原因として、鼻涙管閉塞と結膜弛緩症があります。余分な涙は目頭の涙管から鼻の中に排出されますが、鼻涙管閉塞はその涙管が詰まってしまって涙が排出できなくなって生じています。先天的なものと加齢によるものがあります。新生児が発症している場合には涙道を開通させる処置が必要になる場合もあります。
結膜弛緩症による涙目は、加齢によってまぶたの裏側の結膜が弛緩して涙をうまくためられなくなり、涙が流れやすくなっている状態です。当院では流涙に対して積極的に診断と治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

涙目について

目の中心部で見ると暗く感じる(中心暗点)

目の中心部で見ると暗く感じる(中心暗点)目に入ってきた光は網膜に像を結びます。そして網膜の中心には細部を認識するための黄斑という重要な部分があります。人は黄斑部で99%の視力を得ています。黄斑の異常がある場合、視野の中心の見え方に異常が生じます。黄斑に障害が起こると文字が読めなくなるなど、見る機能に大きく支障が生じます。
加齢性黄斑変性症や糖尿病網膜症による黄斑浮腫、黄斑円孔、中心性漿液性脈絡網膜症など、深刻な疾患によるものが多く、早期発見が特に重要になります。また、こうした疾患は、眼科検査を行うことで鑑別が可能で、治療法が大きく異なるものもあります。見ようとする中心が見づらいなど、視野の中心部の見え方に異常を感じたら、できるだけ早く当院までご相談ください。

網膜の疾患について

視野が欠けている・視野が狭くなった(視野欠損・視野狭窄)

見える範囲である視野が一部見えなくなる視野欠損、見える範囲が狭くなる視野狭窄を起こす眼疾患で、最も発症頻度の高いのは緑内障です。緑内障は根治に導く治療法がなく、進行を抑制する治療しかできません。
それ以外にも暗い場所でものが見にくくなる網膜色素変性でもこうした症状を起こしますし、糖尿病網膜症、網膜剥離、硝子体出血、網膜静脈分枝閉塞症、閃輝暗点など深刻な疾患で視野の欠けや狭窄を起こすことがあります。
視野の欠けや狭窄は、片目に起こっても、問題のない方の目で見た情報で脳が勝手に補完してしまうため、気付くのに遅れてしまうことがよくあります。ちょっとした異常に思えても詳細な検査を行うとかなり進行していることが多いため、少しでも疑わしい場合は早めに受診してください。

目が乾く(ドライアイ)

涙の分泌量不足や、質の変化から目の乾燥感が生じます。原因によって治療法や点眼処方の内容が変わってきますので、効果的な治療のためには検査で正確に原因を見極めることが重要です。
現在は、エアコンの普及で室内の空気が乾燥していますし、パソコンやスマートフォンの使用時間が長くなるとまばたきが不足して目が乾きやすく、幅広い年代の方がドライアイで悩んでいます。コンタクトレンズの使用もドライアイの発症リスク要因になっています。他の眼疾患を合併していることや、疾患の症状としてドライアイを起こしていることもあります。

ドライアイについて

目の疲れ(眼精疲労)

近距離を見る際には毛様体筋が緊張してレンズの役割を持った水晶体を分厚くしています。圧倒的に室内で過ごす時間が多い現代では、近距離に焦点を合わせ続けるため、毛様体筋の緊張が続いて大きな負担が蓄積します。眼精疲労は十分な休息や睡眠をとっても目の疲れが十分に解消しない状態です。パソコンやスマートフォンの使用、合っていない眼鏡やコンタクトレンズの使用、ドライアイなど、眼精疲労の要因は日常にたくさんあります。 悪化すると目の症状だけでなく、頭痛や肩こりをはじめ心身に様々な症状を起こすこともあります。

ドライアイについて

目の痛み(眼痛)

ドライアイ、アレルギー性結膜炎をはじめとした炎症、異物迷入、コンタクトレンズ、強い紫外線、麦粒腫や霰粒腫といったまぶたの腫れ、急性緑内障発作など、目の痛みを起こす疾患には様々なものがあります。
特に、激しい目の痛みや頭痛、吐き気などを突然起こす急性緑内障発作は早急に適切な治療を行わないと視力に大きな障害を残す可能性があります。
また、角膜は鋭敏な感覚を持っているので、ちょっとした刺激でも強く痛むことがあります。角膜は表面にあって傷付きやすく、感染を起こすと視力に深刻な影響を残すことがありますので、目の痛みがある場合は早急に受診してください。

目がかすむ(霧視)

目の酷使によって一時的に焦点がうまく合わなくなってぼやけますが、休息したら回復する場合と、かすんだ状態が続く場合があります。早期に回復する場合には、ドライアイや目の酷使、結膜炎などが疑われ、いずれの場合も適切な点眼治療などで早期の改善が見込めます。
かすんだ状態が長期間続く場合には、白内障、緑内障、加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症、ぶどう膜炎などの炎症が疑われます。また、眼鏡やコンタクトが合わなくなって生じていることもあります。疾患の有無を調べるためにも早めに受診してください。

まぶたの腫れ

麦粒腫の場合は、細菌感染による炎症であり、点眼薬などによる治療が有効です。固いしこりがある場合は霰粒腫が疑われます。しこりが大きいなど、角膜を傷付ける可能性がある場合は切開による除去が必要です。
他にも眼疾患による炎症による腫れを起こすことがあり、腎臓や心臓などの疾患の症状として起こるむくみが影響してまぶたの腫れを起こすこともあります。まぶたは少し腫れるだけでも印象を大きく変えてしまうため、こうした疾患によるむくみもまぶたの腫れで気付くことがよくあります。

まぶたの病気について

充血

まぶたの腫れ目が赤く見える状態は大きく分けると、表面の血管が拡張して赤く見える充血と、表面の血管から出血して生じる結膜下出血があります。充血は白目やまぶたの裏を覆っている結膜の充血、角膜周辺の毛様充血に分けられます。結膜充血は目尻や目頭に赤みが強く出やすく、アレルギー性結膜炎やウイルス性結膜炎などによって生じます。毛様充血は黒目周辺に生じ、角膜炎や強膜炎、ぶどう膜炎、急性閉塞隅角緑内障など、早急な治療が必要な疾患によって起こっていることも多くなっています。
早めに受診して原因を診断することが必要となります。

物が二重に見える(複視)

片目で見ても二重や三重に見える単眼性複視と、両目で見た際にものが二重に見える両眼性複視に分けられます。単眼性複視は主に乱視や白内障で起こります。両眼性複視は、斜視や左右の屈折値のズレが原因で起こっていると考えられます。突然、斜視の症状が起こって複視を生じた場合、脳動脈瘤や糖尿病、脳梗塞、脳腫瘍、筋無力症などが原因になっている可能性がありますので、眼科的精査のうえ、脳神経外科をご紹介して、適切な検査や治療を受けていただけるようにしています。
また、複視は甲状腺眼症、目の炎症性疾患、糖尿病神経障害、事故や打撲などによる骨折など、発症の原因は多岐に渡ります。ものが二重、三重に見えることがありましたら、できるだけ早く受診してください。

目やにが出る(眼脂)

涙には目の表面の潤いを保ち、すみずみまで酸素や栄養素を届け、不要なものを回収して集めるという重要な役割を持っています。目やには、涙に含まれるムチンという成分が不要なものを絡め取って回収し、たまったものです。目やにの内容は、主に脱落した上皮や血液中の細胞、病原体などです。起床時に少量付着している程度が正常とされます。日中も目やにが多く出る場合、細菌や真菌(カビ)、ウイルスなどに感染して生じている可能性があり、受診が必要な状態です。
目やにの状態によってある程度原因が推測できることもあります。黄色がかっていて粘度が高い場合には細菌や真菌感染が疑われ、ほとんどは片目に生じます。肺炎球菌、黄色ブドウ球菌によるものが多いのですが、大量の目やにが出る場合は淋菌感染が疑われ、深刻な角膜の障害につながる可能性がありますので、できるだけ早く受診してください。
ウイルス感染による目やにはサラッとしていて両目に発生することが多くなっています。涙の増加として感じることもあります。はやり目やプール熱など感染力がとても強い疾患がありますので、この場合も早めに受診して診断を受け、感染を広げないようにする必要があります。なお、長期間、透明な目やにが出る場合はアレルギー性結膜炎やドライアイが疑われます。

結膜の疾患について

ゴロゴロする

目がゴロゴロするのは、異物感として捉えられますが、目に異物が入っているのではなく、眼疾患の症状として生じていることもあります。ものもらいと呼ばれる麦粒腫や霰粒腫、角膜や結膜の炎症などは、ゴロゴロする自覚症状を起こしやすい疾患です。他にも細菌やウイルス、アカントアメーバという微生物による感染で生じることもあります。 また異物が入って深刻な症状につながりやすいのは、金属の加工時に細かい金属粉が目に入ってしまった場合です。金属の小さいかけらが角膜に刺さり、感染やサビなどによって視力の低下を起こすことがあります。 原因が疾患や異物に関わらず、深刻な状態になる可能性がありますので、目がゴロゴロする、異物感がある場合にはご相談ください。

まぶたの疾患について

keyboard_arrow_up